エグゼクティブ・ディレクターからのメッセージ
13年に及ぶ海外生活の中で英国ブリストル大学で社会学を専攻し、その後日本の依存症問題と取り組んできた中からの考察

母親の過保護・過干渉
海外と比較して日本の依存症問題の大きな要因の一つに、幼少期・思春期の母親による過保護や過干渉があります。もちろんこれは母親が悪いということではなく、父親が仕事で忙しくて子どもと接する時間がほとんどない、などの理由から母親がほぼ一人で子育てをせざるを得ないというところに問題がある訳です。

当然、母親は母性愛があるのでいろいろな意味で子どもを困難や苦痛から守ろうとします。それ自体は悪いことではありませんが、それが「そんなことぐらいで泣いててどうするんだ?!」というような父親の厳しさとバランスされていなければ過保護となってしまうのです。

また「良い子に育てなければならない」というプレッシャーから、家庭でのしつけから進路に至るまで母親主導で決めてしまうという過干渉も多く見られます。

子どもの数が少なくなったせいで逆に一人の子どもにかけられる時間とお金が増え、その分期待も大きくなりますから、悪循環とまでは言わないにしても現代日本の構造的問題となっていることは間違いないでしょう。


借金の肩代わり
依存症はお金が掛かります。というよりお金がいくらあっても足りません。これはギャンブルや買い物依存に限ったことではなく、麻薬から出会い系サイトまで依存症全般に関して言えることです。

また依存症者は依存しているもののことしか考えられなくなって仕事が手につかなくなりますから遅かれ早かれ失職します。仕事をしていないので給料が入らないのに依存症で大金を無駄遣いしている訳ですから最終的には借金をすることになるでしょう。

日本では比較的簡単に消費者金融からお金を借りれるので借金の額がすぐに百万円を超えてしまいます。本来なら月々の返済が間に合わないのでそれ以上借入れができなくなり、結果として依存症にお金を掛けることができなくなるはずなのですが、ここでサプライズ。

日本では多くの親が子どもの借金を肩代わりするのです!借金取りに家に来てほしくない、子どもが自己破産すると戸籍に傷がつく(そんなことはありません!)、お金で解決できるなら、など様々な理由がありますが、真の原因は親は子離れができていず子どもも親離れができていないという共依存関係があるからです。

子どもが自分で勝手にした借金の責任は本人が取るべきなのですが、本人が取れないなら最後は親が代わりに取ってあげるしかないという過保護をしている訳です。親が子どもの借金を肩代わりして依存症問題が解決したためしはありません。子ども(年齢的にはもう十分大人!)を精神的に自立させて依存症から回復させるためには親は絶対に代わりに借金を払ってはいけません。

続く・・・